青い悪夢⑥ 完結

「今度は、ちゃんと人間の目線で伝えられただろ?」

アオは嬉しそうにそう言った。

「うん。あの人、今度は納得してたみたいだね。忘れてもちゃんと繋がってる、か」

僕はベンチから立ち上がると足元の草を軽く蹴った。

「忘れるってことが、僕ら人間には悲しいんだけどね。たとえ大丈夫でもさ」

「人間は生きてる時のことが大切だからでしょ。だからちゃんと付け加えおいたよ、『思い出を大切に』ってね」

アオは少し得意げに言った。

「私みたいに時間も空間も関係なければ、そんなことちっとも関係ないのに。人間は悲しみが多いね」

「ハハハ。悲しむために僕らは人間してるのかもね。いつかみんながアオみたいに自由になれるといいよね」

僕はまだそうなれないみたいだけど。

満点の星を見上げて、僕はそう思った。

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空想都市一番街

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