みんなに祝福されながらプラチナタイムも終わり、会場はお開きとなった。
すばるは帰る前のシュリとレナと話をした。
「2人とも、今日のこと知ってたんだね」
「うん。顔に出てお前にバレないか心配だったよ」
シュリは笑った。
「でも無事に心が通じ合ってよかったね」
クールなレナが微笑む。
すばるは笑ってうなづいた。
「2人とも、ありがとう」
レナもシュリも嬉しそうだった。
「すばる、そろそろ行こっか」
タクヤが近づいてきて声をかけた。
「うん、じゃあね2人とも。またね」
「2人とも、ありがとう。またうちにも遊びに来てね」
タクヤが言うと、シュリもレナも微笑んで2人の後ろ姿を見送った。
タクヤはすばるの肩を抱き歩く。
すばるはタクヤの腰に腕を回して寄り添っている。
それを見下ろすタクヤは優しい顔をしていた。
「いい感じの2人だねぇ。見てて心が温まるよ」
ルイがしみじみと言った。
「ふふふ、そうね。愛し合う恋人たちは、素敵ね」
嬉しそうに話すまなみの目を、ルイはサングラスを取って見つめて、テーブルの上の手を握った。
「僕たちも、そうだよね」
ルイは優しい目をしている。
「あら、急に、どうしたの?もちろんそうよ」
ルイの不思議な色の瞳を見つめ、まなみは微笑んだ。
「嬉しいのね」
「うん。タクが嬉しそうで俺も嬉しい」
まなみは珍しく涙をこぼすルイの目元にハンカチを当てる。
「ルイさんは優しい人ね。愛してるわ」
2人はテーブル席でひっそりとキスを交わした。
すばるとタクヤはタクシーで家へと帰った。
バレンタインの時来たけど、今日は前と違うように感じる。
今日は、特別な日だから。
すばるは薔薇の花束を花瓶に飾り、指輪の箱をピアノの上に置いた。
ピン、と鍵盤を一つ押した。
何度もこのピアノで歌い、タクヤの歌を聴き、泣いたり笑ったり、思い出のピアノ。2人を見つめてきたピアノ。
すばる、と呼ばれて振り返った。
タクヤは優しい顔ですばるを見つめていた。
すばるはその体に抱きついた。
タクヤも抱きしめた。
しばらく2人は幸せな気持ちできつく抱きしめあった。
それから、2人はキスをした。
唇にキスをするのは初めてだった。
思い出のピアノの前で、2人は優しく何度もキスを交わす。
ぬる、と舌がすばるの唇に滑り込んできた。
んっと声が漏れて、ビクッと震えた。
頭に電気が走ったみたいだった。
タクヤのことがずっと好きだったすばるは他の人と恋愛経験が少なくて、キスの経験も少ない。
だからうまくできないんだけど…それでも頭がぼーっとして気持ちいい。
タクヤの舌とすばるの舌が、絡み合って音を立てる。
溶けちゃいそう…
そう思った時、タクヤが唇を離した。
「ふふ、すごいセクシーな顔してる。」
「…恥ずかしいよ…」
照れるすばるもかわいかった。
すばるは先にお風呂に入った。一緒に入る?と言われたけど、
なんだか恥ずかしすぎて断ってしまった。
子供の時だって一緒に入ったことないのに。そんなの無理だよ、とすばるは思った。
お風呂から上がるとガウンを着てソファでタクヤを待っていた。
やがてバスタオルを腰に巻いて、髪を拭きながらタクヤが戻ってきた。
すばるにキスをすると、ヒョイっと持ち上げてベッドに連れていった。
「うわっ、もう、パパってば」
優しくベッドに寝かすと、タクヤはキスをしながらガウンを脱がせていった。
キスが首すじに降りてくるとすばるから声が漏れた。
「…っ!」
「声、我慢しないでいいんだよ。誰にも聞こえないから。」
「そんなこと言っても…あっ」
タクヤはすばるの大きな胸を手で包み、乳首を舐めた。
「やっ、あっ、んん」
必死に手の甲で口元を押さえ、声を押し殺すすばる。
しかしタクヤの手が下腹あたりを弄るとまたゾクゾクと痺れてしまいそうだった。
「ここ、分かる?」
「うん、ここに、入るの?」
ふとタクヤのバスタオルを取った下半身を見ると、すばるは卒倒しそうになる。
アレ、なに?
めちゃくちゃ大きくない???
すばるの、初めての、どう考えても狭いところに、タクヤのが入る気がしなかった。
すばるの表情で気持ちを察したタクヤが言った。
「大丈夫、ゆっくりやるし、無理そうだったら今日はそれ以上しないから。無理やりやったりしないから、大丈夫だよ。」
そう言ってタクヤはゆっくりと指でほぐし始める。
その間もキスしたり、身体中に舌を這わせたり、すばるをゆっくりリラックスできるように優しくしてくれた。
「んっ!」
タクヤの指が少し奥に入った。すばるは反射的に体に力が入る。
「痛い?」
「…ううん、大丈夫。大丈夫だよ」
無理をしている。タクヤは手を止めた。
「怖いよね。無理するのやめよう。」
指を抜こうとしたので、すばるはそれを止めた。
「ダメ、やめないで。私今日、パパとしたいの。それにちょっと、…気持ちいいし」
顔を真っ赤にして必死に言うすばるがいじらしくて、タクヤは微笑んだ。
「そっか…嬉しいよ。でも少しでも無理だと思ったら我慢しないで。」
そうしてまたゆっくり指で慣らし始めた。
正直、怖いのと、痛いのもあるんだけど、濡れたすばるの中で動くタクヤの指に、今まで感じたことのない快感を感じてるのも本当で。
すばるは自然と体がリラックスしてくるのを感じた。
「もう、指2本入ったよ。…もう一本入るかな?」
「あっ、やっ!いや、それ以上したらダメェ…!」
すばるの反応にタクヤはニヤリと笑った。
すばるが明らかに感じているからである。
「なんで?こんなに気持ちよさそうなのに。それとも、違うのが欲しい?」
すばるは顔を真っ赤にして不貞腐れるように目を逸らす。恥ずかしすぎてどうしていいか分からないのである。
「ほら、三本入っちゃうよ」
「あっ、あっ、だめぇ!もう、なんか来ちゃうから…来ちゃうから、もうパパのがいい」
すばるが必死に言うと、タクヤは指を抜いた。
「分かった。じゃあしようね。だいぶ慣れたと思うけど、痛かったら我慢しないで」
すばるは、タクヤの首に腕を回して強く抱きしめた。
タクヤはそっとすばるの入り口にあてがうと、少しづつ中に入っていった。
さっきの指と全然違う。もっとおっきくて太くて、だいぶ慣れていたけどやっぱりまだ少し痛い。
タクヤは途中で止めて、そこで少しすばるが慣れるまで待つことにした。
今タクヤとセッ✖️スしてる。
すばるはその現実に泣きそうだった。
ずっと大好きだった人とセッ✖️スしてる。
何もかもが熱い。吐息も、体温も、頭も、中も。
ずっとこうしてあなたと一つになりたかった。
本当は怖くて震えちゃうけど、そんなの小さなことだった。
今やっとすばるは、愛する人と深く抱き合うことができたのだ。
死んでもいいと思えた。
不思議。
こんなに幸せな時も、そんな気持ちになるんだ。
「すばる」
耳元で名前を呼ばれてゾクゾクする。
「大丈夫?」
震えを悟られていたようだ。
「うん。パパだから平気」
そういうとタクヤはうーんと困って笑った。
「ね、してる時は、タクヤって呼んで。パパじゃなくて」
照れ笑いするタクヤ。
すばるは顔を赤らめながら、うん、と答えた。
「じゃ、たくやさん」
流石に呼び捨ては恥ずかしすぎて出来なかった。
タクヤはすばるを撫でる。
「ありがとう。よくできました」
「あっ、ん!!」
褒めると同時に、タクヤはすばるの奥まで入った。
「…かわいい。俺のすばる」
普段は大人しいタクヤも、心の中にはちゃんと独占欲があったのである。
ずぷずぷとタクヤはゆっくり動いた。
タクヤがたくさん前戯してくれたおかげで、すばるはしっかり濡れていたし、力もだいぶほぐれていた。
あまり知らないから比べようがないけど、タクヤのは大きいんじゃないかと思った。
奥まで届いて腹の中身を押し上げられているような感じがした。
それに、奥まで突かれていると、何か知らない快感のようなものが走った。
「たくやさ…もっと激しくして。私、壊れないから、大丈夫だから」
そんなことをを言われたらタクヤだって我慢できなくなる。
すばるを起こすと座位の姿勢になってすばるを上下に動かした。
手加減なしに。
「あああ!!たくやさっ…すごいよぉ…!!」
タクヤがすばるの尻をぎゅっと掴んで広げて上下するのがたまらなく気持ちよくて、すばるはもういきそうだった。
「タクヤさん、だめ、きもちい、ああ…」
「かわいい。いっぱいいって。おれもいく。すばる、愛してる」
「♡♡♡!!」
すばるはタクヤにしがみついてビクビクと体を震わせながら盛大に潮をふいた。
と同時に中でタクヤも果てた。
「ええええ?!なに?!私、なんか出ちゃった…ごめんなさいパ…じゃなくて、タクヤさん…!」
潮とか全く知らないすばるはびっくりして大慌てで泣きそうになっている。
「はは、いいんだよ、これは人間の普通の反応だから。気持ちいい時に出る人がいるんだよ。すばるは俺としてて気持ちよかったんだな。すごく嬉しい」
タクヤはすばるから抜くと、✖️液の溜まったゴムをとって口を縛った。
すばるはそれを見て、前に付き合っていた男の子に(我ら呪術ブラザーズ!参照)、顔にかけられたことを思い出した。
セッ✖️スを求められて、とても嫌で生理だからって嘘ついて拒否したら、フ✖️ラを求められてしまって。
断ったらいけないような気がして、すばるは嫌々頑張ってしたことがある。
その時、顔にかけられて、ものすごく嫌で悲しかったことを思い出した。
「どうしたの?そんな顔して。痛かった?」
タクヤが心配して声をかける。
その顔を見てすばるは、タクヤさんは大丈夫、私に嫌なことはしない、と思った。
「ううん。不思議なんだけど、痛みはあったけど、気持ちよかった。
タクヤさんがたくさん優しくしてくれたからだね」
タクヤは微笑んですばるを撫でると、引き寄せてキスをした。
「お風呂入ろっか。シーツも変えないとね」
「アハハ…そうだね」
すばるは恥ずかしそうに笑った。
シーツを剥がして洗濯を回しながら、すばるとタクヤはお風呂に入った。
「疲れただろ。体大丈夫?」
「うん、疲れたけど大丈夫。なんかまだ中にタクヤさんが入ってるみたいな変な感じ」
すばるは笑った。
「…俺さ」
浴槽の中で、タクヤは後ろからすばるを抱きしめた。
その大きな胸に、守られるようにすばるは体重を預ける。
「愛してるよ。俺を選んでくれてありがとう」
タクヤはすばるの頭に頬を擦り寄せた。
すばるは胸がキュンと切なくなるのを感じた。
タクヤも、自分を求めてくれていたのだ。その愛情が嬉しかった。
「ありがとう…私もタクヤさんが大好き。愛してるよ。ずっと一緒にいてね」
子供の時も、タクヤとお風呂に入ったことはない。
こんな形で一緒に入ることになるなんて。
すばるは幸せだった。
こんなに大好きな人と、愛し合えること。
色々あったけど、これはきっと奇跡なのだ。
たくさんの希望と共に生まれたすばるは、
今愛する人と共に生きる奇跡を手に入れたのだった。
空想都市一番街
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