月日は経ち、セナは2年生になった。
ユイちゃんは、経済状態から、かなり迷ったけれど、一年生の終わりで大学を辞めた。
ユイちゃんのためにセナもどうにかしてあげたかったけれど、ユイちゃんは
「いいんだよ。私、大学は辞めるけど、これから仕事しながら別の生き方探してみる。そういうこと考えるいいきっかけになったと思えば無駄じゃないよ。だからセナくん、気にしないで。これまでと変わらずそばにいてくれる?」
「もちろんだよ。俺はいつもユイちゃんの味方だから。どこにも行かないよ」
そんな訳で、二人は相変わらず付き合い続けていた。
セナは学校とバイトで、ユイちゃんは仕事で忙しかったけれど、一緒に過ごす時間大切にしていた。
そんなある日。
「ユイちゃん?いないの?」
いつまで経ってもインターホンに反応が無いけど、玄関の鍵は開いている。
セナは不審に思い中に入った。
そこにいたユイちゃんの状況にセナは真っ青になり言葉を失った。
そのあとは何をどうしたのか覚えていない。
気づいたら病院で身体中チューブだらけのユイちゃんがベッドに横たわっていた。
ユイちゃんは命は助かったけど、いつ意識が戻るか分からなかった。
戻らないかもしれなかった。
話しかけてあげてください、と医師から言われて、セナは毎日毎日、たとえほんのわずかな時間でも、ユイちゃんを見舞って話しかけ続けた。
「ユイちゃん、おはよう。プレゼント持ってきたよ」
「うん、やっぱり似合う!可愛い!」
「今日は新しいお花を持ってきたよ」
「覚えてる?一緒に行った映画、面白かったよね!」
「今日は手があったかいね!調子がいいのかな」
「元気になったらまた一緒にご飯作って食べようね!」
「毎日毎日、彼はここに通った。気づいたら3年の月日が流れてた。
そしてこのベッドは、今は空…」
アオは目を開いた。
「借金のために彼に秘密で風俗で働いて、身も心もボロボロになっていった、か。悲しいな。」
「もう一度彼の夢に入る時が来たな。」
アオは再び空間を超えて、セナの夢に降り立った。
空想都市一番街
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