体をビクビクと震わせて達したコウタを抱きしめて伊織は愛おしそうに何度も頬や首や瞼や唇にキスをする。
「ハァッ…ハァッ…」
あまりに気持ちよくてコウタはしばらく言葉が出せない。
その間伊織は激しく動かすのをやめて優しくコウタを撫でる。
「コウタ…。大丈夫か?」
コウタは少し落ち着いてきて、伊織の胸にもたれながらうなづく。
「伊織さん…」
「ん?」
「こんなの、初めてです…」
くた、と力が抜けているコウタは恥ずかしそうに言う。
伊織は優しくコウタを撫でておでこにキスをする。
「そうか。じゃあもう少しだけ、させてくれ」
伊織はそういうと再びコウタを上下に激しく突き出す。
「はんっ…!!!ああああ!!!イったばっかりなのにぃっ…!!!また変になりゅ…!!」
「ふふ、コウタ、かわいい…」
そう言うと伊織はズルリとコウタの中から抜き出す。
「んはぁ…っ」
抜ける感覚にもびくんと体が震えてしまう。
伊織はコウタの体をベッドに寝かせると、上になってヌルッと再び中に入ってきた。
「はあんっ♡」
ずちゅずちゅと伊織は中をかき混ぜるように腰を動かす。
「お前の中、すごい絡みついてくるな…クッ、俺も、イきそうだ…少し激しくするぞ」
パンッ!パンッ!!
肉音をたてながら伊織が腰を動かす。
コウタはまた快感が押し寄せる感覚にふるえる。
「あああっ!!!イイッッ!!またきちゃうよぉっっ!!」
コウタはトロトロの穴を伊織に奥まで突かれて頭の中が真っ白になっていく
「んん…っ!!コウタ…!!出すぞ!!」
ますます早く深くなる動きにコウタもまた限界だった。
「くっ…ん…」
「んおお…らめえ…んあ…!!」
伊織がコウタの中に全部放ったのを感じながら、コウタも達した。
「はぁ、はぁ…っ」
「コウタ」
伊織は横になって、2回もイカされて力が入らないコウタの体を抱きしめる。
「…もう、続けて2回も、こんなにされたら…壊れちゃいます」
「す、すまない…もっと優しくするつもりだったのだが…怖がらせてしまったか?痛くはなかったか?」
コウタが冗談でちょっといじけて見せると、伊織は慌ててオロオロしている。その様子が面白い。
「ふっふふ、大丈夫ですよ。冗談です。伊織さんの大きいしちょっと激しかったけど、俺のこと心配したり、すごく優しくしてくれました。ふふ、セックスしながら大丈夫?なんて初めて言われた。伊織さんは優しいですね」
伊織を見上げながら言うと、伊織は顔が赤くなってパッと視線を逸らした。
「伊織さん?…照れた?」
「あー…照れてない。ゴホン、ふぅ」
一呼吸するとまたいつもの大人の伊織に戻る。
「お前がそう言ってくれてよかった。」
そう言うと伊織は再びギュッとコウタを抱きしめる。
「ありがとう。」
優しく背中を撫でられる。
コウタは伊織の胸で、幸福感に包まれて自然に笑顔になっていた。
「俺の方こそ、ありがとうございます。仕事していてこんなに安心するなんて、嘘みたい。これはリップサービスじゃないですよ。本当に、怖かったことに上書きされた気持ちです。伊織さんがそばにいてくれて、とても幸せです」
何か答えようとした伊織が一瞬言葉に詰まった。
「…?」
「…フフ、ありがとう」
愛おしそうに頬を撫でる大きな伊織の手。コウタは一瞬、伊織がどこか遠くへ行ってしまうような気持ちになって、その手を握る。
「……大丈夫だよ。そうだ、夜景を見てみよう。もう日が暮れてすっかり夜だ。さっき見たのとは違う景色が見える。カーテンを開けよう」
伊織が部屋のカーテンを開けると、床から天井まである大きなガラス窓の外には、昼間に見た景色とはまるで違う光景が広がっていた。
「わあ…!!」
コウタは息を飲んだ。
足元には蛍光色の様々なネオン。スラムのカオスでサイバーな輝き。
そして光一つ見えない真っ暗な荒野、その遠く遠く向こうに、ポッと淡い光が、マッチの火のように暖かく揺れて輝いている。
どこか懐かしいようなその光景に、コウタは胸が揺さぶられる。
「もしお前が迷ったら、あの明かりを目指していけ。あのメインシティーを目指すんだ。いいことばかりではないが、あの場所には光がある。日光が当たる暖かい場所だ。人間にはそういう場所が必要なんだ」
ベッドに腰掛けてボーッと景色に魅入られるコウタの隣に腰掛け、伊織は言う。
人間にはそういう場所が必要なんだ。
その言葉には不思議に説得力があった。もしかしたらコウタ自身が、そういう場所を無意識に欲していたのかもしれない。
「日の光…伊織さんはあそこで育ったんですよね?」
「ああ。だいぶ遠くへきてしまったがな。だが、故郷というものはいつも心の中にあるものだ。俺の心の中にはいつも、育ったあの場所がある。」
コウタは伊織の心の中にある暖かく日の光に満ち溢れた世界を想像したけどよく分からない。
でも、そういうものがいつも心の中にあるというのは、とても心強いことのような気がする。
「…さあ、風呂に入ろうか。まだ何度でもするけどな。」
そういうと伊織はバスタブに湯を張りに行った。
「ちょ、え、伊織さん、一緒に入るんですか?」
「ああ」
やっと一緒に入れる。
コウタはなんとなく嬉しい気持ちで湯が張り終わるのを待った。
一緒に入ったらまたそこで一回して、のぼせ気味になって伊織に抱かれてベッドに戻ってくることになったのだけど。
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