ある休みの日。ルイが少年を連れて遊びに来た。
「あの子、誰?」
すばるはタクヤの耳元でそっと聞いた。自分より少し年上の少年に興味津々のようだ。
「ルイの息子だよ。すばるとあんまり歳が変わらないから、お話ししてみなよ」
すばるはそう言われて話しかけようとしてみるけど、なんだかあんまり口を聞いてくれない。ルイと違って笑顔も無い。
でもすばるは頑張って話しかけてみた。
「ねぇ、君、なんて名前?私はすばるだよ」
「、、、」
返事がない。なんて言ったらいいか分からないみたいだった。どうやら少年はものすごく凄くシャイみたいだ。
それなら音楽でコミュニケーションをとろう。
すばるはそう思ってピアノの蓋を開けた。
「一緒に歌おうよ。それとも君、楽器プレイヤー?」
すばるが聞くとその子はふるふると首を横に振った。
「じゃあ私がおととい覚えたみかんハートを弾くね。」
すばるは弾きだした。
その子はパッと顔をあげて嬉しそうに顔を赤らめて、一緒に歌い出した。
歌うのがとても好きなようだった。
そしてその子には、人を惹きつけるような魅力があるみたいだった。
「ありがとう。俺はシュリ。」
「シュリかあ。素敵な名前だね!ねぇ他にも色々歌わない?君の歌はなんだか聞いてて凄く気持ちいいよ」
それからすばるたちはとても仲良くなっていろんな歌を歌った。
シュリもピアノを弾いてくれた。
友達と音楽するのって最高だなとすばるは思った。
空想都市一番街
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