すばるのきょうだいたち②

「やあ、レイナさん久しぶり。すばるを迎えがてら、俺もお祝いを渡したいと思ってね。…あれ、どうしたのすばる」

タクヤが部屋に通されると泣いているすばるがいた。

「…なんでもないよ。トイレ行ってくる。」

すばるは袖で涙を拭いてトイレに立った。

「レイナさん、あの子に何か言ったの?」

レイナは訳を話した。

「あなただって恋人くらい作りたいかと思ったのよ、、」

タクヤは盛大にため息をついた、

「あなたって人は、、すばるを引き取ると決めたのは俺だよ。
もし誰かを好きになるとしても、すばるが邪魔になることなんてあり得ないし、あの子の幸せが1番。

そんなの親なら当たり前でしょう。
それにあなたこそ、自分のところに来いなんて無責任によくそんなことが言えるよな」

タクヤはとても怒っていた。

「そんなに怒らないでよ。なによ、自由に生きて何が悪いの?」

「あなたに言っても理解できないと思うけど、あなたは自由を履き違えてる」

タクヤとレイナが言い争っていると、ルーちゃんが泣き出した。

「あ、ルーちゃんごめんね、怖かったね。よしよし」

タクヤは咄嗟に子供の前で熱くなってしまったことを後悔した。

「すまない。ちょっと熱くなった」

「いいわ。ほら、ルーちゃんを見てあげて。」

タクヤはレイナに渡され、ぎこちなくルーちゃんを抱いた。

「可愛いな。すごく可愛い。赤ん坊ってこんなに小さいんだな。」

そこにすばるが戻ってきた。

「パパ、私にもルーちゃん抱っこさせて」

そうしてタクヤとすばるはルーちゃんと触れ合い、帰路についた。

「また来てねぇ〜!」

とレイナは2人を見送った。

「パパ、ありがとう」

帰りの車ですばるが言った。

「ん?なにが?」

「さっきママに…私のことで、怒ってくれた」

すばるは顔を赤くして下を向いた。

「聞いてたの?ふふふ、親として当たり前のこと言っただけだよ。何も気にしなくていいってこと、分かってくれたよね?」

すばるは顔をあげて嬉しそうにうなづいた。

「ねぇパパ、私にはルーちゃん以外にもきょうだいがいるの。知ってるよね?」

「うん、話に聞いただけだから、詳しくは知らないけど」

「聞いてくれる?可愛い双子なの」

すばるはニコニコと話はじめた。



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