名もなき思い出

母さんがルイさんと結婚することになった。

シュリが本当の弟になることが⬛︎⬛︎はすごく嬉しかった。

シュリはピアノと歌が上手な男の子だ。

シュリはすごくシャイだけど、⬛︎⬛︎は小さな頃からの付き合いなのでとても仲がいい。

⬛︎⬛︎は今日もシュリからピアノを教えてもらったりふたりで楽しく遊んだ。

「よかったわね、⬛︎⬛︎」

母さんも2人が仲良くしていて嬉しそう。

その夏はシュリの友達のすばるの家でプールで遊んだ。
⬛︎⬛︎はすばるとも仲良くなった。

「⬛︎⬛︎、男の子の服の方が好きなら俺の着てみなよ。すごい似合う!」

学校もみんなで通った。毎日すごく楽しかったよ

3人は大きくなっても仲良しだった。

「⬛︎⬛︎、今度みんなでスキーに行こうよ。」

「うん、いいよ」

「⬛︎⬛︎はスノボ上手いんだよ、去年家族旅行で行ったんだ」

シュリが自分のことみたいに自慢する。

「そ、それほどでもないよ!」

「え〜見てみたい!今から楽しみだなあ」


ある日大学に行く時のこと

今すれ違った人…
なんて綺麗なんだろう
いつかまた街で会えるかなと思っていたら、同じ大学の子だった。
ああ、ここまででいいから
もう少し、このままで、いたいな…



「ふーん、孤独が好きな君にもそんな友達がいたんだねぇ」

アオの声に僕は目を覚ました。

「人の夢を覗くのはどうかと思うよ?」

「ごめんごめん。あんまり幸せそうな顔してたからつい」

僕は怒る気はなかった。

思い出の夢を見れて幸せだったからだ。

「でもなぜみんな君の名前を忘れてるの?なぜ今誰も君のことを覚えてないの?
まるで君が無かったことになってるみたい。君、何をしたの?」

アオの問いに僕は曖昧に笑った。

「うーん、僕もよく覚えてない。でもこれでいいんだよ。こうしたかったから」

「ふぅん…」

アオは不思議そうな顔をして首をひねった。

「それよりたくさん寝てお腹すいちゃった。一緒にご飯付き合ってよ」

「わ、ちょっと!」

僕はアオを掴むと空間を超えて美味しいレストランに行ってご飯を食べた。

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